採用サイトの「福利厚生」とは?具体的な作り方と参考事例から解説

■このページは2024年9月25日に投稿しました。

採用サイトにおける福利厚生関連を紹介する「福利厚生」ページ。
このページをどう作れば求職者にとって魅力的なページなるのかを具体例と参考サイトを交えながら解説します。

福利厚生とは何か?

福利厚生とは、企業が従業員に対し主に給与・賞与以外で本人と家族に提供する報酬やサービスのことです。福利厚生は法律で義務付けられている「法定福利厚生」と企業が独自に設定できる「法定外福利厚生」の2つに分類されます。

また、制度対象者は正社員の他に契約社員やパートタイマー、派遣労働者など企業で働く全社員が対象となります。これは、2020年4月に施行された「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(パートタイム・有期雇用労働法)による影響です。ただ、この法律は「法定福利厚生」のみ当てはまり「法定外福利厚生」については企業努力になるため、ページを作るときは注意しましょう。

「福利厚生」ページを作るメリットは?

近年、労働者は自分の人生を豊かにする「ワークライフバランス」を大切にする傾向があります。そのため、企業の事業内容や仕事内容と同じくらいにどのような福利厚生を提供しているのか?に注目が集まっています。採用サイトにおいて「福利厚生」ページを作ることは、それらの疑問に対して回答するコンテンツとして非常に重要です。

福利厚生の種類

福利厚生の中で2つに分かれる「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」について解説します。

法定福利厚生

法定福利厚生とは、企業が費用を負担して従業員に提供しなればならない法律によって定められたもので6種類あります。

健康保険 / 厚生年金保険 / 雇用保険 / 労災保険 / 介護保険 / 子ども・子育て拠出金

法定外福利厚生

法定外福利厚生とは、法律で提供の義務が無い企業が独自に提供しているものです。企業は法定福利厚生に+αとして設定します。どこまでの範囲を提供するは企業ごとで設定できるので内容は多岐に渡ります。

通勤 / 財産形成 / 食事 / 健康管理 / 両立支援 / 休暇制度 / 自己啓発 / 慶弔災害 / 住宅 / 余暇活動 / 働き方 / 高齢者

一つずつ見ていきましょう。

通勤に関する福利厚生
通勤手当 など
住宅に関する福利厚生
世帯用住宅・寮の整備、家賃補助や住宅手当の支給 など
慶弔や災害に関する福利厚生
慶弔見舞金制度、永年勤続表彰、遺族・遺児年金、労災補償給付の付加給付 など
健康管理に関する福利厚生
診療所や健康管理センター等医療施設、メンタルヘルス相談、人間ドック受診の補助、運動施設の設置、運動施設・フィットネスクラブの利用補助 など
休暇制度に関する福利厚生
病気休職制度、病気休暇制度(有給休暇以外)、リフレッシュ休暇制度、ボランティア休暇制度、慶弔休暇制度、有給休暇の日数の上乗せ(GW、夏期特別休暇など) など
働き方に関する福利厚生
短時間勤務制度、フレックスタイム制度、テレワーク、ノー残業デー等の設置、時差出勤 など
両立支援に関する福利厚生
法定を上回る育児休業・短時間制度、企業内保育施設や保育サービス(ベビーシッターなど)情報の提供、法定を上回る介護休業制度、介護のための施設やサービス(ヘルパーなど)情報の提供、治療と仕事の両立支援策 など
自己啓発に関する福利厚生
社内での自己啓発プログラム、社外の自己啓発サービスの提供や経費補助、社外の自己啓発に関する情報提供、自己啓発のための休暇等の付与 など
財産形成に関する福利厚生
財形貯蓄制度、社内預金制度、従業員持株制度・持株会、ストックオプション制度 など
余暇活動に関する福利厚生
保養施設・レクリエーション施設等の提供や利用補助、運動会等のレクリエーション活動の実施、社員旅行の実施または補助 など
高齢者に関する福利厚生
退職前準備教育(セミナーなど)、定年退職後の医療保障、定年退職後の保養施設YAレクリエーション施設の利用、OB会等定年退職後の親睦活動 など

出典:独立行政法人 労働政策研究所・研修機構「企業における福利厚生施策の 実態に関する調査」

一概に福利厚生といってもかなり種類がありますね!

「通勤」「食事」「住宅」「慶弔休暇」に関するものは昔からよくあるメジャーな制度ですが、最近はそれらに加えて「健康管理」「休暇制度」「働き方」「両立支援」「自己啓発」に関する福利厚生も注目されてる傾向があります。

求職者にとって魅力的な「福利厚生」ページの作り方

ページを作る場合は、以下のポイントを考えながら作ります。

法定外福利厚生を軸に掲載する

福利厚生は2種ありますが「福利厚生」ページでは法定外福利厚生をメインにアピールしましょう。法定福利厚生は、求人票や求人メディアなど他媒体にも記載される必須情報のため、自社の魅力を自由に発信できる採用サイトにおいては、企業の独自性が出せる法定外福利厚生をメインに打ち出すことが大事です。

ただ、法定福利厚生を全く載せないと、求職者が逆に不安になるので掲載する内容のバランスを見ながらページ構成することをおすすめします。

見せたい制度に優先順位をつける

福利厚生が充実した企業の場合、全てを載せたいところですが情報を載せすぎると逆に伝わりづらくなる懸念があります。そのため、以下の2点に絞りアピールしたい制度の優先順位を決めましょう。

・法定外福利厚生の中で他企業に比べて独自性が高い、または求職者に有益だと思われる制度をピックアップする

・企業が採用したい人物像と親和性の高い福利厚生を優先的に載せる
例)自動車メーカーで転勤が必須の場合、求職者としては、住宅手当(社宅や寮、転居に伴う引越し費用など)がどうなっているのか?を知りたいはず。その制度についての情報を厚くする など 

説明は具体的でイメージしやすい形に

他社にはないユニークな制度や求職者に有益な制度でも、伝わらなければ魅力は半減してしまいます。そのため、福利厚生を説明をする時は求職者がイメージできるように、具体的かつ簡潔に書くと良いです。

例えば、リモート勤務が可能な職場の場合

「リモート勤務可能」

とだけ表記するのではなく、

より具体的に
・週どのくらいの割合でリモート可能なのか?フルリモートできるのか?
・職種によって割合は異なるのか?
・リモート勤務と出社勤務の選択制なのか?
・リモート勤務の場合、手当てが出るのか?

など、求職者が入社して実際に利用した時に感じる疑問を先回りした説明を心がけましょう。

求職者が求める福利厚生から考える

前段で企業が採用したい人物像に併せた制度を優先的に見せると書きましたが、なかなか決まらないこともあると思います。そんな時は、求職者に人気の福利厚生をピックアップして見せるのも効果的です。


出典:独立行政法人 労働政策研究所・研修機構「企業における福利厚生施策の 実態に関する調査」

人気の福利厚生から見ると、年度ごとに多少の入れ替わりはありますが、以下の3つは常に人気がある傾向ですね。

・人間ドック受診に関する制度
・慶弔休暇に関する制度
・家賃補助や住宅手当の支給に関する制度

求職者にとって魅力的な「福利厚生」ページの作り方

ここでは「福利厚生」ページの内容が充実している採用サイトをご紹介します。

AGC株式会社 採用サイト


出典:AGC株式会社 採用サイト
それぞれの制度について情報が細かく掲載されており、特に金額にまつわる部分は具体的な数字が書かれているためイメージしやすいですね。また、制度ごとに使用した場合のモデルケースや口コミもあるのでリアルな情報として読むことができます。

株式会社サーバーワークス 採用サイト


出典:株式会社サーバーワークス 採用サイト
このページは、福利厚生の他に評価制度や教育・研修制度がわかりやすくまとめられています。福利厚生については「ハッピーベビー制度」や「昼寝スペース」などユニークな制度が目を引きます。

GMOインターネットグループ株式会社 採用サイト


出典:GMOインターネットグループ株式会社 採用サイト
このページは、福利厚生拡充プロジェクトと絡めて、従業員の満足度が向上する制度を写真付きで大きく扱い、ベーシックな制度は文字情報でまとめてるなど工夫しているのが見やすいです。

この記事のまとめ

この記事では、給与や事業内容、職種内容などに加えて求職者が重要視している「福利厚生」ページについて解説しました。採用サイトにおいて、他企業に比べて企業の独自性をアピールできる需要なページなので、求職者が働くがイメージを持てるよう具体的に伝えると良いコンテンツになると思います。

ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考に、ページを作成してみたください!

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