採用サイトの「社長メッセージ」「採用担当者からのメッセージ」とは? メリットと実践的な作り方を具体的に解説

■このページは2025年4月24日に投稿しました。

これらの中からサイトの目的(何を最も達成したいのか)

採用サイトで、求職者に向けてどのような人材を求めているかを伝える「メッセージページ」。主に社長や採用担当者が語ることが多いですが、なぜこのページが必要なのか、また、どのように作れば求職者にとって魅力的なコンテンツになるのかを、具体例を交えて解説します。

採用サイトにおけるメッセージページとは?

メッセージページとは、企業の社長や採用担当者が、求職者に向けて自社の紹介や求める人物像などの想いを伝えるコンテンツです。
大きく2つのパターンに分けられ、企業のトップである社長が語る場合は「社長メッセージ」、人事部の採用担当者や部長が語る場合は「採用担当者からのメッセージ」があり、話者によって分類されます。

作ることで得られるメリットは?

採用サイトの主なコンテンツは、自社の事業内容や仕事内容など、求職者が応募する際に企業研究を行えるよう、事実を正確に伝える「論理的なコンテンツ」が中心となります。一方で、企業のビジョンや風土、求める人物像などを自らの言葉で伝える「情緒的なコンテンツ」もあり、社長・採用担当者からのメッセージや社員紹介のインタビューなどがこれに該当します。

「論理的なコンテンツ」は、企業に対する理解や納得感を促す一方、「情緒的なコンテンツ」は、語り手の想いや価値観が伝わることで、求職者の共感や親近感、安心感を生みやすいというメリットがあります。

採用サイトでは、論理的な情報だけでも企業情報を伝えることは可能ですが、情緒的なコンテンツを加えることで、より企業の魅力を多面的に伝えることができます。

そのため、「社長メッセージ」や「採用担当者からのメッセージ」などの情緒的なコンテンツを、可能な限り掲載することをお勧めします。

メッセージごとの特徴

ヨムシルではこれまでの採用サイト制作経験をもとに、「社長メッセージ」と「採用担当者メッセージ」の特徴や、それぞれに適した発信先について解説します。

社長メッセージの特徴

社長メッセージは、企業のトップである社長自身が語るため、企業理念やパーパス、将来の展望など、企業視点で全体像を語る内容になります。そのため、一般的に視座の高いメッセージとなるのが特徴です。

こうした特性から、社長メッセージは主に新卒採用サイトでの発信に適しており、高い効果が期待されます。新卒者は実務経験がない分、企業選びの際に理念や方向性への共感を重視する傾向があるため、社長の言葉を通じて企業の価値観や姿勢を感じ取ろうとするためです。

採用担当者からのメッセージの特徴

採用担当者からのメッセージは、人事担当者が語ることが多く、社長メッセージと重なる要素もありますが、自社紹介や職場環境、働き方、求める人物像などを、より求職者に近い視点で伝えることで、親近感や安心感を与える効果があります。

そのため、採用担当者メッセージは「主にキャリア採用サイトでの発信に適していると考えられます。キャリア採用者は一定のスキルや実務経験を有しているため、企業理念や将来性に関心を持ちつつも、「自分のスキルが活かせるか」「どのような志を持った仲間がいるか」「どんな役割を期待されるか」といった、具体的な働くイメージを求める傾向があるからです。

なお、これはあくまで傾向としての整理であり、実際には、新卒採用サイトに採用担当者のメッセージが掲載されているケースや、キャリア採用サイトに社長メッセージが載っているケース、また両方のメッセージを併載するサイトも多く見られます。企業の状況や採用戦略、サイトのコンセプトに応じて、適切な構成を検討することが重要です。

具体的なメッセージの作り方

ここでは、具体的なメッセージの作り方を解説します。メッセージを作る場合は、基本的には以下のような方法で進行をします。

構成を考え設計する
構成を元にインタビューシートを作成し、対象者に記入をお願いする
回答してもらったインタビューシートを元に、のインタビューを実施
インタビュー時に静止画像も撮影
ヒアリングした内容をもとにライターが原稿を執筆
原稿を確認・修正しながら完成させる

❷以降の方法については、また別の機会にしますが、この記事では、❶の構成設計について解説します。

また、メッセージを作成する際に重要なのは、企業としての在り方や未来像を伝えるだけで終わらせるのではなく、それを求職者に向けた「採用」の文脈で語ることです。こうした観点を意識することで、メッセージはより求職者の心に届きやすくなるとヨムシルは考えます。

社長メッセージの具体的な構成例

それでは、社長メッセージを見ていきます。
まずは、どれがどの想定するターゲットにどのくらいのボリュームで伝えるのかをまとめました。

  • 語り手:社長や副社長など
  • 想定読者・サイト:新卒採用者、新卒採用サイト
  • 構成:3ブロック
  • 文字数:1ブロックあたり200文字程度

構成と文字数は、文章量が長すぎると求職者が離脱する可能性もあり、少なすぎるとメッセージとして伝わりづらいため、総数600〜700文字程度のブロックに分けると良いかと思います。

具体的な構成ですが、基本的に過去→現在→未来の順番を意識します。

1段目:自己紹介のパート(過去)
・自社のパーパスや企業理念、これまでの沿革、事業の概要を紹介
・歴史ある企業なら創業時の話、または事業で特に強みのある領域を説明
2段目:未来を語るパート(現在)
・自社を取り巻く現在のビジネス環境を踏まえて、今後の事業方針を語る
・自社で採用メッセージが策定されいたら、その内容にも触れる
・将来について、希望や挑戦など前向きな姿勢を言葉にする
3段目:求める人物像を伝えるパート(未来)
・自社の企業理念やビジョンに共感し、一緒に歩んでほしい人物像を語る
・どんな特徴やマインドを持つ人を求めているのか、抽象的ならず具体的に語る

採用者担当者からのメッセージ 具体的な構成

採用担当者からのメッセージも見ていきます。
社長メッセージと同様、誰が想定するターゲットにどのくらいのボリュームで伝えるのかをまとめました。

  • 語り手:採用担当者(人事の部長や採用責任者など職位が高い人)や採用担当に関わる人など
  • 想定読者・サイト:キャリア採用者、キャリア採用サイト
  • 構成:3ブロック
  • 文字数:1ブロックあたり200文字程度

具体的な構成ですが、こちらも社長メッセージと基本的には同じです。
過去→現在→未来の順番を意識します。

ただ、2段目以降は、より求職者に近い目線で伝えます。

1段目:自己紹介のパート(過去)
・自社のパーパスや企業理念、これまでの沿革、事業の概要など企業のこれまでの活動を説明
2段目:職場環境の問題点を伝えるパート(現在)
・キャリア入社してどんな仲間が働いて活躍しているか、どんな働き方や制度を導入しているかなど、働く環境にフォーカスする
・異業種からの転職を歓迎する場合は、さまざまなバックグラウンドを持った社員が多く在籍していることも伝えると効果的
3段目:求める人物像を伝えるパート(未来)
・社長メッセージと共通しますが、採用担当者からのメッセージでは、「チームとして、仲間として、一緒に働けることを楽しみにする」という、仲間目線のニュアンスを伝えると効果的

参考になる採用サイト

ここでは、ヨムシルが読みやすくわかりやすいと感じたメッセージページをご紹介します。

社長メッセージ

参考サイト:野村證券株式会社


出典:野村證券株式会社

3段落構成で、1段目は自社の紹介、2段目はやや働く環境にフォーカスした内容、3段目は求める人物像というよりは自社の今後の未来を語り、それに共感できる人物に問いかける形でまとめています。

参考サイト:レバレジーズ株式会社


出典:レバレジーズ株式会社

このメッセージは、野村證券会社と同様に1段目は自社紹介、2段目は今後の事業展開、3段目は求める人物像でまとめています。

まとめ

この記事では、採用サイトのコンテンツの一つである「社長メッセージ」と「採用担当者からのメッセージ」について、なぜ必要なのか、そして具体的に作る方法を解説しました。
自社の魅力をアピールできる重要なコンテンツですので、ぜひこの記事でご紹介したポイントを参考に、ページを作成してみてください!

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